4人用食卓 猟奇的な彼女 イルマーレ ホワイトバレンタイン

STORY
  
まるで女の子のように、大事に育てられた気だてのいい大学生、キョヌ(チャ・テヒョン)が、“彼女”(チョン・ジヒョン)との運命的な出会いを果たしたのは、夜の駅のホームだった。足元がふらつく美しい女性に目をとめたら、それは酔っ払い。美しいストレートヘアとスレンダーな容姿は、キョヌの好みだったが、彼は酒に酔った女は大嫌い。しかし、電車の中で倒れた彼女を放っておけず、しぶしぶ、自腹でホテルに運ぶが、そこに警官がやってきて、人助けをしたはずのキョヌは留置所に入れられる。 昨夜の記憶がなく、かんかんに怒った彼女は、キョヌを電話で呼び出し、ホテルに行くまでのいきさつを問いつめる。しらふの彼女は、やっぱり、キョヌ好みのキュートな美人。しかし、態度はとてもワイルドで、カフェではキョヌにコーヒー以外は飲ませない。そして、酒が入ると、「私、きのう、好きな人と別れたの」と言って泣き出し、再び気を失ってしまう。キョヌは、また、ホテルに彼女を連れて行くが、子供のような寝顔の彼女にひかれ始め、その心の傷をいやそうと決意する。 そして、彼女とつきあい始めたものの、もちろん、普通の相手ではなかった。キョヌの大学にやってきて、お腹の子供の父親がキョヌだと嘘をついて教室の外に連れだしたり、川の深さを確かめるため、カナヅチの彼を水の中に突き落としたり。 大学生の彼女はシナリオライターをめざしていて、キョヌにシノプシスを見せる。それは「ターミネーター」と「デモリション・マン」を合わせたようなSFだった。逞しい女戦士が未来で戦う物語で、キョヌはその奇妙な内容に困惑する。
 ある日、「私の誕生日を忘れたら、殺す!」という脅迫めいたメールがキョヌのもとに届いた。そんな彼女を夜の遊園地に連れ出し、誕生日を祝おうと考えたキョヌだったが、そこにはあいにく、失意にくれる脱走兵がいて、キョヌと彼女は人質になってしまう。しかし、勇気ある彼女の説得で、脱走兵は改心する。タフな彼女は、勇気にあふれ、とても頼りがいがあるのだ。
彼女は新しいシノプシスをキョヌに見せる。今度は時代劇で、おたずね者の女性が戦う支離滅裂な内容だった。キョヌは彼女に才能がないと思ったが、そんなこと、口がさけても言えない。それどころか、彼女に頼まれ、映画会社にそれを届けるはめになる。
 彼女の猟奇的な態度は、さらにエスカレートしていく。電車の中でキョヌの頬を思いっきり殴ってみたり、ハイヒールが足に合わず、それをキョヌにはかせて走らせ、自分は彼のスニーカーでゆうゆうと歩いたり。キョヌと出会って100日目には、1輪の赤いバラを彼女がピアノを弾いている大学のホールまで届けさせた。
 翻弄されながらも、どこか麻薬のような魅力を持つ彼女にキョヌはひかれていたが、彼女のほうは、いつも、あいまいな態度のまま。自宅前まで彼女を送りとどけ、その熱いまなざしを感じたものの、家の中では彼女の父親に厳しい説教をされ、やっぱり、情けないキョヌだった。
 そんな彼女が両親からの強制でお見合いをした夜、キョヌは急に現場に呼び出される。複雑な想いを隠し、彼は猟奇的な彼女とつきあう心得をお見合いの相手に伝える。そんなキョヌの温かさに心動かされる彼女。彼を追って駅まで走り、場内アナウンスでキョヌを呼び寄せる。現れたキョヌと抱き合ったのもつかの間、彼女のきついパンチが再びキョヌの頬に飛んできた。 そして、ふたりはある約束をかわした。お互いにあてた手紙をタイムカプセルに入れて、丘の木の下に埋め、2年後に会おう…。
キョヌにとって、それは辛く、長い日々に思えた。猟奇的な彼女との楽しくも、どこかホロ苦い思い出。それをインターネットで発表したら、映画会社から映画化の話が舞い込んだ。かつての彼女の夢を自分が実現したのだ。しかし、今は彼女に知らせることはできない。ラケットボールや剣道の腕前を磨きながら、再会の日を待つキョヌだった。しかし2年後、キョヌは本当の意味で彼女の秘密を知ることになる。



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